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歯科・口腔外科

概要

当院歯科口腔外科は、昭和17年10月に開設され、現在まで口腔の健康の維持・増進を通して地域医療に貢献してきました。現在、常勤医師3名、歯科衛生士5名、事務受付2名で診療にあたっています。当科での取扱い疾患(診療内容)は以下の如くです。


<歯   科>

・一般歯科治療(う歯・歯周病の治療、義歯などの補綴治療)

・有病者歯科治療(*1)

・周術期口腔ケア(*2)


<口腔外科>

・埋伏歯(埋伏智歯,埋伏過剰歯)(*3)

・顎関節症および顎関節炎

・顎口腔領域の嚢胞

・顎口腔領域の炎症性疾患(頭頸部領域の歯性感染症)

・口腔顎顔面外傷(軟組織損傷、歯の損傷、顎顔面骨折など)

・顎口腔領域の良性・悪性腫瘍

・口腔粘膜疾患(白板症、口腔扁平苔癬など)

・口腔乾燥症(ドライマウス)・舌痛症(*4)


(*1)全身疾患を有する患者さまの治療は、院内関連諸科、かかりつけ医療機関等との連携を密にして行っております。たとえば、脳梗塞や心筋梗塞の予防のため血液をサラサラにする薬(抗凝固薬や抗血小板薬)を服用中の患者さまにつきましては、内科・脳外科などと連携の上、休薬の可否を検討しますが、原則として休薬せずに抜歯を行い、局所止血にて対応することが多くなっております。また、骨粗しょう症等でビスフォスフォネート製剤等を使用または使用予定の患者さまで、抜歯等による薬剤関連顎骨壊死のリスクが高いと思われる場合につきましては、事前に口腔ケアを徹底して顎骨壊死のリスクを低下させるとともに、薬剤使用中に抜歯が必要な場合には、処方医と相談し、必要/可能であれば休薬して抜歯しております。

(*2)近年、口腔疾患は心疾患・糖尿病・誤嚥性肺炎などの全身疾患に影響を与えることが明らかになってきました。そのため口腔ケア(口腔衛生状態の改善のためのケアや治療)の重要性が高まっています。特に周術期においては、全身麻酔時の気管内挿管で口腔常在菌を気道へ迷入させる恐れがあり、術後の誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性があります。また、術後に絶食となる場合は経口摂取時よりも口腔常在菌が増加し、感染症を引き起こしやすくなります。そのため、当科では、全身麻酔手術や化学療法/放射線療法を受けられる患者さんを対象に、口腔に起因する全身的な合併症の軽減を目的として、歯科医師による診察・処置や歯科衛生士による口腔清掃指導・専門的口腔ケア(器械・器具を用いた歯面清掃)を行っております。

(*3)智歯(おやしらず)は18歳頃から萌出を開始しますが、現代人の顎の大きさは小さくなっている傾向にあり、これに対して歯の大きさはそれほど小さくなっていませんので、最後に生えて来る智歯(第3大臼歯)の萌出スペースが不足して、顎骨に埋まったまま(埋伏智歯または水平埋伏智歯)の患者さまが多く見られます。このような状態では、智歯周囲炎(おやしらずの炎症)を起こし易く、歯肉の腫れ、痛みを繰り返し起こすことになります。

埋伏智歯抜歯術は、当科入院手術の大半(2019~2021年度では306件中235件、約77%)を占め(下記、治療実績の表を参照)、外来小手術の中でも15%程度を占め、当科にとっては重要な手術のひとつとなっています。智歯周囲炎を繰り返す場合は勿論ですが、智歯周囲炎を起こす可能性の高い埋伏智歯については、発症する以前にでも抜歯しておくのが良いと考えられます。抜歯の容易さから考えますと、下顎埋伏智歯は10代後半、上顎埋伏智歯は萌出(の可能性)を待って20代前半くらいまでに抜歯しておくのが適切と考えられます。症例によっては外来局麻下での抜歯も可能ですが、抜歯の難易度、予定手術時間、患者さまのご希望などにより、入院下での静脈内鎮静法を併用した局所麻酔下、さらには全身麻酔下での抜歯にも対応しております。

また、通常のオルソパントモX線写真で下顎埋伏智歯の根尖が下顎管に近接して下歯槽神経損傷を起こし易いと判断された場合には、CT撮影を行い、抜歯法を詳細に検討し、場合によっては、歯冠切断法(埋伏歯冠のみを切断除去し歯根は残す方法)や2回法(歯冠切断後に歯根が移動して下顎管から離れてから改めて安全に歯根を抜去する方法)にて対応することもあります。

近年、地域一般歯科医院からの埋伏智歯抜歯のご依頼・ご紹介が増加傾向にあり、この場をお借りして感謝申し上げます。

(*4)口腔乾燥症に対しては、シェーグレン症候群も考慮した系統的な検査・診断を行い、原因を究明した上で、各種内服薬(塩酸セビメリン製剤等)、含嗽剤、口腔保湿剤、人工唾液、漢方薬等を組み合わせた系統的な治療を行っています。また、舌痛症(近年では末梢痛覚神経障害性慢性疼痛と考えられています)や味覚障害の病因には、口腔乾燥、栄養障害、精神心理的要因、口腔カンジダ症などが複雑に関連していることを念頭に置き、系統的な検査・診断・治療を行っております。


上述の埋伏智歯抜歯の他にも、局所麻酔下での口腔外科的疾患の手術(嚢胞・腫瘍摘出術、顎骨骨髄炎手術等)においては静脈内鎮静法を併用し、患者さまに安全でストレスの少ない手術の遂行に心掛けております。全身麻酔下手術においては麻酔科医師と検討のうえ手術療法を施行しております。また、全身疾患をお持ちの患者さまの手術においては、関連各診療科の専門医と協力の上、術前~術後管理を一貫して行い、患者さまのQOLの向上に努めております。当科の手術日は月曜日の午後および金曜日の午後となっております。


口腔外科領域においても病-診連携・病-病連携の推進は重要であり、一次医療機関の先生方と患者さまの共同管理に努めながら、また院内他科との連携等、総合病院歯科口腔外科ならではの特徴を活かした歯科口腔外科診療を通じて、地域住民の皆さまの口腔の健康の維持・増進に貢献していきたいと考えております。


現在、当科には公益社団法人日本口腔外科学会認定専門医(2名)・指導医(専門医のうち1名)および卒後臨床研修指導医(2名)が常勤しており、地域の総合病院歯科・口腔外科として患者さまのために良質な医療の提供を継続したく考えております。当院は平成18 年1月18 日付で厚生労働省より歯科医師卒後臨床研修施設指定病院(施設番号:051316)、また、平成24 年10月1 日付で公益社団法人日本口腔外科学会認定准研修施設(施設番号:准3029)に認可され、平成23年10月からは岐阜大学大学院医学系研究科口腔病態学分野より口腔外科医師(研修医)を断続的に受け入れ、歯科医師卒後臨床研修を行っており、当院麻酔科の御指導の下、麻酔科研修もさせていただいております。

【治療実績】

入院手術件数

2019年度 2020年度 2021年度
全身麻酔 12 17 20
局所麻酔* 105 85 67
合計 117 102 87

埋伏智歯・埋伏歯抜歯術件数(入院分のみ)

2019年度 2020年度 2021年度
全身麻酔 8 13 15
局所麻酔* 66 76 57
合計 74 89 72

各年度:4月~翌年3月

*全例静脈内鎮静法併用

担当医師

土井田 誠 (といだ まこと)

診療部長
【所属学会・資格】

  • 医学博士
  • 日本口腔外科学会(専門医・指導医)
  • 日本病理学会(口腔病理専門医・指導医)
  • 歯科臨床研修指導医

舌痛症や口腔乾燥症などの治療に力を入れています。

水井 工 (みずい たくみ)

歯科口腔外科主任医長
【所属学会・資格】

  • 医学博士
  • 日本口腔外科学会(専門医)
  • 歯科臨床研修指導医

歯科口腔外科診療全般を行っていますが、特に顎関節症の治療を専門としています。

片岡 辰明 (かたおか たつあき)

歯科口腔外科医員
【所属学会・資格】

  • 日本口腔外科学会(認定医)
  • 日本口腔診断学会