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病理診断科

概要

患者さんが病院を受診された際には、適切な治療のために適切な診断が必要となります。「病理診断」は、患者さんの最終診断として主治医に報告され、治療に生かされます。具体的には、患者さんの体より採取された細胞や病変の組織から顕微鏡用のガラス標本がつくられます。このガラス標本を顕微鏡で観察して診断するのが病理診断であり、大きく分けて以下の3つがあります。

【細胞診断】

病変の一部から細胞を採取し、悪性(がん)細胞がいないかどうかを判定します。注射針で吸引した細胞や、ブラシにこすりつけた細胞を用いるので体への負担が少ないという特徴があります。尿や痰などから細胞を調べることもできます。細胞診断は細胞検査士という日本臨床細胞学会が認定した資格を持つ専門技師と共同で診断します。

【組織診断(生検材料・手術材料・術中迅速診断)】

内視鏡検査などでつまみ採った病変の一部を標本にして調べる「生検組織診断」と、手術で摘出された臓器を肉眼と顕微鏡を併せて詳細に調べる「手術組織診断」があります。また一部の手術では、手術中に採取された病変を20分程度で診断する「術中迅速診断」を行います。術中迅速診断の結果はその場で執刀医に報告され、手術の方針が決定されます。

【病理解剖】

ご遺族の承諾のもと、病気のために亡くなられた患者さんのご遺体を解剖させていただき、全身の臓器を観察することで患者さんの死因や生前の病態、治療の効果などを検討します。その後、主治医を含む関係者が参加する臨床病理検討会(CPC)にて詳しい医学的検討を行います。病理解剖を通じて得られる結果は、重要な知見として今後の医療に役立てられます。

※病理解剖の必要性について

医学の急速な進歩によって、さまざまな疾患に対して新しい診断法や治療法が開発され、現代の医療は大変高度かつ複雑なものになっています。その一方で、患者さんに起こるすべての出来事を予測し、対応することは現在でも難しいと言わざるを得ません。したがって、より確実な、よりよい医療を行うために、診療の効果、問題点を絶えず検証する必要があります。この医学的検証は治療中の患者さんだけでなく、亡くなられた患者さんも貴重な対象となります。このために病理解剖は非常に重要であり、その必要性をご理解いただけますようお願い申し上げます。

病理医は、顕微鏡を通じていつも患者さんの病気と健康について向き合い、正しい医療のために貢献していきます。

担当医師

山口 愛奈 (やまぐち あいな)

病理診断科医長
【所属学会・資格】

  • 日本病理学会
  • 日本臨床細胞学会
  • 日本甲状腺病理学会
  • 日本アミロイドーシス学会
  • 病理専門医
  • 細胞診専門医
  • 分子病理専門医